2012/06/14

超(ものぐさ)整理法

僕は整理整頓というものが非常に苦手である。さすがに今となっては10代20代の頃のように部屋が「足の踏み場もなくなる」「入り口からベッドまで片足ケンケンで移動する」などということはなくなったが、しかし生来の散らかし癖が完治したわけではもちろんない。これは不治の病である。というより部屋とは基本的に整頓しなければ常に散らかるものであり、それが自然の摂理であるからして毎日毎日せいりせいとんする人こそむしろビョーキと言って良いのではないのか?

それはともかく、整理整頓が苦手と言っても散らかった部屋が好きなどということはない。時たまそのようなことをぬかす輩がいるが明らかに自己欺瞞である。「整理整頓はしたくないが整理整頓された部屋で暮らしたい」。これが目指す大地であり、それを自力でやらねばならないとすれば何かしらか工夫をする必要がある。

 僕の場合、とにかく使った物をそのへんに「ポン置き」する悪癖がある。基本的に物を置ける台の上はすべて物で埋まっていく。前に住んでいた家のキッチンテーブルはほぼ4年間物置台と化した。 このポン置き被害を最も深刻に受けるのがまず机とその周辺、次にベッド周りと玄関である。

この対策についてはまず「ポン置き」の行動を制限する環境を整える事から始めなくてはならない。現在は実家住まいなので玄関はひとまず良いとして、まずベッドサイドテーブルは排除してスタンドライトくらいしか乗らないスツールに置き替えた。目覚まし時計その他は足下そばのボックスに乗せる。ベッド周辺が散らかるのは主に枕元なので足元に棚があってもそれほどひどい事態に至ることは少ない。

そして本丸の机であるが、ここは野口悠紀雄氏の古典的名著、「『超』整理法」のセオリーに従って整理してみることにした。超整理法の要点は、

・分類せずに時系列でまとめる
・使った物は元の場所に戻さず「端から」収納する
・すべて同じ場所に収納する

というのが基本的なところである。とりあえずこの方法を机の上に陣取る小物共に応用するとこうなった。


まずスタック出来るある程度の大きさのケースを重ねる。今のところ3段くらいが妥当だろう。その一番上に机やその周辺に居座っているグッズを入れる。今使っている物もここに入れてここに戻す。

満杯になってきたら下の空箱を上に持ってくる。この時「どうせすぐ使うから」という理由で最初から上に持ってきたりしないでとりあえず問答無用で下段送りにする。上段に持ってくるのはあくまで使う時になってからである。ここでは試験的に携帯電話も下段送りしてみる(笑)。 そして一番下まで満杯になったらそのケースだけを普通に分類して整理する。

どうせ分類して整理するなら最初からやれば?と整理整頓好きの人は思うだろうが、それができれば苦労しないのである。机の周りの散らかりというのは「すぐ使うつもりだったがいつのまにか使わなく なった」モノ共が次第に積み重なっていく現象である。この3段ケースは整理に至るまでのバッファと言える。

ケースはカインズで1個198円で売っている工具箱を使用した。スタック出来る箱が便利だと思うが、スタックする代わりにラックに箱を押し込む方法も考えられる。箱はカゴかクリア素材で中身が見えるようにするのが良いだろう。一番下にはベニヤ板とキャスターを買ってきてキャスター台を自作した。自由に動かせるとかなり利便性が増す。キャスター台は100均でも売っているのでうまく使えればさらに安上がりだ。

ところで 野口悠紀雄氏の「『超』整理法」における「時系列による押し出し方式」は基本的に紙のメディアの整理法であって、野口氏はこうした「モノ」については徹底的 に小分けして整理することを薦めている。なのでこれはあくまで超整理法の考え方だけを借りた邪道な方法であることは明記しておきたい。

「モノ」は紙の情報のように「どんどん入ってきていらなくなったらどんどん捨てる」というものではないし、ケースは「封筒に紙一枚」という贅沢な使い方もできない。段数はもう少し増やせるが限界はあるしその先には「普通の整理整頓」待ち受けている。

このスタックケースによる整理は今始めたばかりの方法で、この先うまくいくかどうかはまだ未知数である。「時系列でまとめる」「分類せず同じ場所に収納する」といった超整理法の考え方は踏襲しているものの、ありようは「散らかす場所を一ヶ所にまとめて整理を先送りしただけ」とも言える。

これは原理的に破綻を含んだやり方なのかも知れないが 、それでも今僕の目の前でこれまでの生涯でなし得なかった偉業が達成されつつあるのは確かである。つまり、部屋が片付いている!!

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これは前に住んでいた家で行っていた整理法。普段使いの小物を分類して机のそばに積み重ねておいていた。


 デジカメと電池の充電器、ひげそりと綿棒、請求書と本来分類されていた小物類が次第に境界を失って上段がカオス化してくる。そして下段は「使用ラインを外れたマウスピース」などという、まったく身の回りに置く必要性がない完全に結晶化した蔵物が占拠している。中途半端な分類と整理の優先順位を無視したことによる失敗例。

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