2016/12/31

訃報2016

2016年は色んな人が亡くなった印象があるが、Wikipediaの訃報2016のページを読んで思い出して音楽家を中心にピックアップしてみる。

(※ポピュラー系の音楽家は特定の楽器の専門家ではない場合はざっくり「ミュージシャン」と分類。名前の後の数字は享年で、年齢の数え方は国による違いもあり。肩書きは代表的なものだけで「元」は省略した。)

■1月
3日 ポール・ブレイ(83):ジャズ・ピアニスト
10日 デヴィッド・ボウイ(69):ミュージシャン
14日 アラン・リックマン(69):俳優

ボウイの死は衝撃だったが、そのすぐ後にスネイプ先生も亡くなっていた。どちらも69歳と現代では早逝の部類でかつ現役だっただけに突然の訃報だった。そしてこの年はそういう訃報が特に多かった印象がある。

18日 グレン・フライ(67) :ミュージシャン(イーグルス)
29日 オーレル・ニコレ(90):フルート奏者

世界的フルート奏者、ニコレ御大もこの年に死没。昔のインタビューではやたら鬱々と愚痴っぽく、鋭い知性を持て余している印象だったのだが、けっこう長生きしましたな。晩年のことはよく知らないが年齢的には大往生の部類だろう。

■2月
3日 モーリス・ホワイト(74):ミュージシャン(アース・ウィンド&ファイアー)

■3月
5日 ニコラウス・アーノンクール(86):指揮者、チェロ・古楽器奏者
10日 キース・エマーソン(71):キーボード奏者(エマーソン・レイク&パーマー)
24日 ヨハン・クライフ(68):サッカー選手、指導者
31日 ザハ・ハディド(65):建築家

アーノンクールは亡くなる1年前ほどから引退宣言していて、指揮者で引退して辞める人はわりと珍しいのでどういうことかと思っていたら重病だった。そして心臓に疾患を抱えていたクライフとハディドは60代で亡くなった。

■4月
19日 パトリシオ・エイルウィン(97):政治家(チリ大統領)
21日 プリンス(57):ミュージシャン

エイルウィンという人はかつてピノチェト軍事独裁政権を倒して大統領になった人物で2012年のチリ映画「NO(ノー)」にも本人役で出演している。映画では90歳超えてバリバリ元気なところを見せていた。

そしてプリンス。体も元気なら創作意欲も有り余っていて、ちょっと張り切りすぎて自ら過労死したっぽい。こういう人は天国をこっそり抜け出した天使が連れ戻されるようなものなのかな、と考えようと思う。

■5月
5日 冨田勲(84):作編曲家、シンセサイザー奏者
12日 蜷川幸雄(80):演出家

■6月
3日 モハメド・アリ(74):ボクサー

■7月
7日 永六輔(83):タレント、随筆家
12日 大橋巨泉(82):タレント
26日 中村紘子(72):ピアニスト
31日 千代の富士貢(61):大相撲力士(横綱)

このあたりは一つの世代がごっそり去っていった感がある。そして短命が多い力士だが、力士としてはかなりスリムな九重親方も早逝した。

■8月
16日 ジョアン・アヴェランジェ(100):第7代国際サッカー連盟会長

■9月
9日 加藤紘一(77):政治家

■10月
2日 ネヴィル・マリナー(92):指揮者
20日 平尾誠二(53):ラグビー選手、監督
23日 ピート・バーンズ(57):ミュージシャン(デッド・オア・アライブ)

ジャン=マリー・アヴェランジェとして「フランスの偉そうな偉い人」だと思っていたアヴェランジェはブラジル人。100歳まで生きたか。

今年は50~60代で亡くなったミュージシャンが多かったのだが、忘れてはいけないピート・バーンズ。あと平尾さんの訃報をラジオで聞いたときには思わず「うそっ!」と声が出た。

■11月
6日 ゾルタン・コチシュ(64):ピアニスト、指揮者
25日 フィデル・カストロ(90):政治家(キューバ国家評議会議長)

■12月
7日 グレッグ・レイク(69)ミュージシャン(キング・クリムゾン、エマーソン・レイク&パーマー)
25日 ジョージ・マイケル、(53):ミュージシャン(ワム!)
27日 キャリー・フィッシャー(60):女優
28日 デビー・レイノルズ(84):女優
29日 根津甚八(69):俳優

 一般的に長命が多い印象があるクラシック演奏家だがコチシュは60代半ばにして逝去。カストロは90で長命と言えるだろう。政治家が老いて健康で長命なイメージが あるのはやはりやはり支援者の賞賛の中で生きているからだろう。人間は文字通り人との間で生きている。

それにしても12月後半の訃報ラッシュには動揺してしまう。特に娘のキャリー・フィッシャーに先立たれたショックのまま逝ったデビー・レイノルズは痛ましい。

現代の基準では70歳を超えずに亡くなると早死にという印象だが、こうして並べてみるとやはり早く逝った人は多かった。訃報に驚くことが多かった一年だった。

改めて合掌。

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